地球温暖化問題



「二酸化炭素と地球温暖化」と言う言葉を聞くようになったのはいつごろからでしょうか。ここ数年、いや10年くらいかな、と思っている人も多いと思います。実は1889年にスバンテ・アレニウスというスウェーデンの科学者が、二酸化炭素と地球温暖化の関係について指摘しています。この地球温暖化という問題が地球環境にとって非常に重要なテーマとしてクローズアップされています。


1.温暖化することの問題点

では地球が温暖化すると何が問題となるのでしょうか。 今までの気候が大きく様変わりすると考えられています。その結果として世界中で、
といった、いろいろな問題が出てきそうです。

2.温暖化問題 世界と日本の取り組み

このような問題が本当に起きるのでしょうか。もし起きたら世界中が困るのだから、世界で共通の認識を共有する必要がある、と考えるのは当然の成り行きでしょう。

年表-地球温暖化関係年表(1979年〜2016年) ⇒内容はこちら  

3.温暖化のメカニズム

次に温暖化はどのようにして起きるのでしょうか。  地球の温度は太陽の放射熱で温められ、暖まった地球から放出される熱とのバランスによって決まります。地球からの熱は赤外線となって宇宙へ放出されますが、大気の中にはこの赤外線を吸収し、再び地球へ放出するガスが存在しています。このため、太陽からの熱放射以上に地表付近の温度が高くなります。これを温室効果と呼びます。


この温室効果を持つガスにはいろいろなものが知られていますが、その代表的なものに二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)、オゾン(O3)、水蒸気(H2O)があります。これらは地球の誕生とともに存在していましたが、人間がさらに六フッ化硫黄(SF6)、ハイドロフルオロカーボン(HFCS)、パーフルオロカーボン(PFCS)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)などを大気中に放出しています。
温室効果がなければ地球は氷の惑星です。温室効果ガスのおかげで今の地球の豊かな生態系が成立しているのです。でも、温室効果が強すぎるとどうなるのでしょうか・・。

4.将来予測

IPCCの第四次評価報告書では次のように述べています。
まず、地球に出入りするエネルギーのバランスを変化させる影響力について検討し、正の放射強制力は地表面を暖め、負の放射強制力は地表面を冷やすとしたうえで、1750年以降の人間活動(温室効果ガス、エーロゾル、対流圏オゾン、ハロカーボン類等)が、温暖化の効果をもたらしたことの信頼性はかなり高いとしました。


環境省訳2007年5月22日版
また、その影響は観測された事実として、1906年から2005年の100年間における気温上昇は0.74℃、20世紀中の海面上昇は0.17mと推定、北半球の積雪面積は減少を続けているとしています。



環境省訳2007年5月22日版
このような状況をコンピュータの中で再現し、将来を予測することが試みられました。ただ、その条件となる社会条件はいろいろパスが考えられます。また、シミュレーションを実施している研究機関もたくさんあります。そのため、予測の範囲はある幅を持って計算されることは仕方のないことです。  IPCCでは経済発展重視、環境と経済の調和、グローバル化、地域主義化の4つの大きな方向性をたて、さまざまなシナリオを作成、世界中の研究機関で予測を行いました。




Summary for Policymakers,P14,WGi
その結果、2100年には最大で6.4℃の気温上昇が予測されています。  気温の上昇に伴う多方面への影響も予測されます。さらには、温暖化の影響はかなり長い期間にわたって影響を及ぼすことが予測されています。





5.京都議定書と京都メカニズム

京都議定書とは

(1)先進国の温室効果ガス排出量について、法的拘束力のある数値目標を設定

○先進国とは、アメリカ、カナダ、オーストリア、日本、EU加盟国やロシア・東欧等市場経済移行国など

○対象となる温室効果ガスとして、二酸化炭素・メタン・一酸化二窒素・HFCS・PFCS・SF6の6種類を指定



千葉県地球温暖化防止計画(H18.6)より

異なる温室効果ガスについては、GWP(温室効果係数)を用いて二酸化炭素排出量に換算する。GWPは、第1約束期間については値が確定しているが、その後については最新の知見の獲得等により変更される可能性がある。

○数値目標は、2008〜2012の5年間(第1約束期間)に対し適用


(2)国として目標を達成するための補足的な仕組み(京都メカニズム)を導入

○共同実施(JI)

先進国が他の先進国内で、温室効果ガス排出削減(または吸収増大)事業を実施し、その結果生じた排出削減量(または吸収増大量)の一部を取得できる制度

○クリーン開発メカニズム(CDM)

先進国が開発途上国内において温室効果ガス排出削減(または吸収増大)事業を実施し、その結果生じた排出削減量(または吸収増大量)の一部を取得できる制度

○排出量取引

排出量の数値目標が定められている先進国間で、排出枠の取得・移転(取引)を認めるもの(先進国合計の総排出枠の量は変わらない

6.千葉県の地球温暖化対策

千葉県は、1993(平成5)年度に、地球サミットで採択されたアジェンダ21の地域版である「ローカルアジェンダ21」として千葉県地球環境保全行動計画を策定し、地域の立場から地球環境保全の取り組みを始めました。また、1997(平成9)年に京都議定書が採択されてことをことを受け、2000(平成12)年度には「千葉県地球温暖化防止計画」(平成18年度改定)を策定し、県として地球温暖化対策を総合的に進めてきたところです。
計画では、県の温室効果ガス排出量が1990(基準)年比で1.3%減少となることを目指しましたが、結果としては、2008〜2012(平成20〜24)年の5年平均値で3.7%の増加となりました。
排出量が当初の計画どおり減少しなかった原因は、東日本大震災を契機に、電源を構成する発電所のうち火力の割合が増加したことや、事務所・店舗面積の増加、また、各主体の省エネルギーの取組も計画で想定していたとおりには進みませんでした。
なお、当初は計画期間を2010年(平成22)年までとしていましたが、東日本大震災の影響で国の地球温暖化対策が見直されることとなったため、計画期間を延長し、その間、特に再生可能エネルギーの導入に注力するなど、必要な対策を進めてきました。
2015(平成27)年7月に、国が「2030年度に2013年度比で26%削減する」という目標を掲げ、翌2016(平成28)年5月に地球温暖化対策計画を策定しました。また、条約締結国すべてが参加して採択されたパリ協定により、世界的にも地球温暖化対策は新たな段階へと進みました。こうした世界や国の動きを受けて、千葉県においてもこれまでの取り組みをより一層進めた新たな計画を策定し、県民、事業者、自治体など全ての主体が一体となって地域レベルでの地球温暖化対策に取組んでいかなければなりません。また、温室効果ガス排出の削減対策に加え、今後想定できる最大限の削減対策を講じたとしても避けることのできない、気温の上昇や気候変動に対して適応していく「適応策」も必要となります。適応策は長期的な視点で、今後予測される気候変動の不確実さなども考慮しつつ慎重に検討する必要があることから、計画では千葉県の適応策の方向をとりまとめ、今後の施策検討につなげていきます。

千葉県地球温暖化対策実行計画 ⇒概要版はこちら
〜CO2CO2スマートプラン〜
  


計画期間

2016年度から2030年度まで

温室効果ガス排出量の削減率

2030年度に2013年度比22%削減

計画の目標

家庭・事務所・運輸・製造業の4つの主体で設定

家庭

事務所・店舗

製造業

低炭素社会実行計画の参加企業

その他の企業・中小企業

運輸貨物

県の取組

4つの基本方針のもと取組を推進
  1. 再生可能エネルギー等の活用
  2. 省エネルギーの促進
  3. 温暖化対策に資する地域環境の整備・改善
  4. 循環型社会の構築

7.私たちに出来ることは(一般家庭向け)

日常生活から発生する二酸化炭素の量は年間で一世帯あたり約3トンになります。
日常生活で使う電気や燃料(エネルギー)の消費や物品の購入が、「温室効果ガス」が増加している原因の一つにもなっています。
家庭でも次のようにエネルギーや省資源に配慮する必要があります。

(1)家の中での省エネルギーの工夫・配慮

@居間や居室では

A水回りでは

B台所では

(3)外出する時の工夫や配慮

(4)家を建てる、増改築するときの工夫

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